日曜サスペンス劇場(34) / 泥酔(B面)
「日曜サスペンス劇場」シリーズは実際にプレイしたTRPG(テーブルトークRPG)の小説化です。
それを念頭においた上でお読みいただけると、より楽しめるかと存じます。
本筋
「先輩〜。どうしたんですかぁ? さっきから胸ばっかり気にしてますよぉ」
沢田ヨゾラからの言葉だ。
しまった。
カードキーを入手して、つい油断してしまったらしい。
「あ、あぁ。これか。いやぁ。携帯が気になって……」
「でも、ここ圏外ですよぉ」
「ああそうだったね……。普段の癖が抜けなくて」
ボクは、「軽い男」のイメージを崩さないように注意しつつ答える。
そして。
少し「照れ隠し」のニュアンスをまぶしつつ反撃する。
「キミこそ。館石さんを放っておいていいのかな?」
「え? どうして彼女なんですか?」
「同じ迷彩服仲間じゃないか〜」
ヨゾラは、一瞬の沈黙してから、答える。
「そんなことないですよ〜。先輩こそどうなんですかぁ?」
「悪いけど。ボクはロリコンじゃないから」
そんな、やくたいもない会話が続く。
横目で周囲を見る。
館石ヒナノは、バドワイザーを飲みつづけている。
「ラッパ飲み」というやつだ。
何本も飲んだらしく、ヒナノはついに泥酔して倒れた。
その後、羽山トモカがヒナノちゃんの部屋へ運んで介抱するらしい。
……おつかれさま。
(つづく)
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