思っちゃたんだからしょうがない

 爆笑問題という、ふたり組のお笑いのコンビをご存知ですか?
 背が高くて痩せている太田光と、
 背が低くて太っている田中裕二からなります。
 で、TBS(だっけな?)でやっている深夜のラジオ番組の中の
 コーナーのひとつから、タイトルを取りました。


 ……と、どうでもいい前ふりは置いておいて、本筋です。
 イメージしてみてください。
 スターバックスでコーヒーを飲んでいるとします。
 いえ別に、モスバーガーでもいいんですけど。
 そこへ、一見ブランドものっぽいスーツを着た、
 真面目そうな、若い男性が話しかけてきたとします。
 「あの〜、ちょっとすいません……」


 ……。
 今、脳内で「刑事コロンボ」風になっていました。
 決して、「さえない中年」ではないですからね。
 話を元に戻して、と。


 その男性が出した名刺の肩書きは
 「経済評論家」
 となっていました。
 ですが、聞いたことのない名前です。


 「わたし、株をやっていまして。
  今すごく儲かる株を知っているんですよ。
  もし、30万円貸してくれたら、
  来月5割増しにしてお返しします」

 
 こう告げられて、素直にお金を渡す人ってどれ位いますか?
 ほとんどいないと思うんですよ……。


 ところが。
 会社に面接に行って、
 「うちの就業時間は9時から5時、
  残業はほとんどないから。
  業務内容は……」
 という説明は、素直に信じますよね?
 それとも、ブラックな企業もきちんと「正直に」説明するんですかね?


 「うちは残業ないから、
  あっても全てサービス残業ね。
  それから、過労死は統計的に1割、
  あと『うつ病』になる人は2割だけだから」


 こんな会社絶対入りたくない……。


「見知らぬ人」にお金を渡すのには躊躇する人が
「見知らぬ人」に時間を平気で渡すのはなぜなんだろう?
「時間」と「金銭」と同じぐらい大切だ、と思うのですが。