日曜サスペンス劇場(35) / セイント 

「日曜サスペンス劇場」シリーズは実際にプレイしたTRPGテーブルトークRPG)の小説化です。
 それを念頭においた上でお読みいただけると、より楽しめるかと存じます。


 本筋
 宴会が終わった。
 ボク、阿佐ヶ谷タクロウも泥酔した状態で自分の部屋に向かっていた。
 ふと考える。
 もし、ボクが西洋圏の人間なら聖人の名前を偽名に使う。
 ボクの怪盗の目標は。「セイント」のヴァル・キルマーなのだ。
 ずいぶん、酔ったみたいだ。
 その時、背後から誰かが近づいてくる気配に気づいた。
 慌てず、だけど素早く、振りむこうとする。
 が。
 それより早く、「何か」が顔に押しあてられる。
 こ、これは?
 万力のような力で締めあげられる。
 ……違う。
 ボクの力が抜けているのだ。
 これは……クロロホルムか?
 ち……か、らが……ぬ、け……て……い、く。
 ボクの……瞼が……お、も……く、な……る。
 そ……い……つの……わ、ら……い、ご……え……が……。
(つづく)

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