日曜サスペンス劇場(17) / 倉庫

 本筋
 羽山トモカは館石ヒナノを部屋に送ることにした。
 肩を貸して運ぶ。
「……?」
 違和感をおぼえる。
 もしかして……見た目ほどは酔ってない?
 とはいえ、特になにをするでもなく、トモカはそのままヒナノの部屋に入った。
 手をかけると、扉は簡単に開く。
「大丈夫?」
 そう声をかけながら、ヒナノをベッドに横たわらせる。
「だい……じょおぶひょぉ」
 ヒナノが、回らないろれつで答える。
 これも演技なの?
 トモカは一言二言声をかけてから部屋を後にする。
「あひがとぉ」
 ヒナノがお礼をいう。


 トモカは自分の部屋に入った。
 何かおかしい。
 部屋の入り口をほんの少し開けて、廊下を見張ることにした。
 やがて、ヒナノが顔を出す。
 左右を確認すると、そっと廊下に出た。
 そのまま、廊下を歩いていく。
 酔った様子はみじんもない。
 トモカも彼女の後ろをついていく。
 

 ヒナノはそのまま階下の荷物置き場へ進んだ。
 荷物を調べている。
 結城ミサオの荷物が中心だ。
 何をしているの……?
 様子を見ているトモカは内心つぶやく。
 さらにヒナノは、食料品の入っている倉庫に向かう。
 ヒナノが「何か」をすると、鍵のかかっているはずの倉庫の扉が開く。
 好奇心をおさえられず、トモカは近づいて、扉の隙間から倉庫の中を覗きこむ。
 中でヒナノは何かを探しているようだ。
 がさごそとあさっていく。
 やがて。
 ヒナノは肩をすくめる。
 そのしぐさは、普段の幼い外見とは似あわない。
 何を探していたかは分からないものの、目的のものは見つからなかったようだ。
 これ以上いるとヒナノにばれるとトモカは判じた。
 そのまま自分の部屋に戻る。
 

 カードがもう1枚……。

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