日曜サスペンス劇場(12) / 影

 現時点での主な登場人物
  ・朝比奈サヤカ(女)
  ・沢田ヨゾラ (男)
  ・羽山トモカ (女)
  ・福田ヤスオ (男)
  ・阿佐ヶ谷タクロウ(男)
  ・館石ヒナノ (女)
  ・結城ミサオ (女)
  ・片倉ナツキ (女)


 本筋
 クルーザーは島に向かって南下していた。
 メンバーの大半が、一番上の層でお喋りを楽しんでいた。
 結城ミサオが島には無線機しかないと説明すると、
 館石ヒナノが自分はアマチュア無線が使えると主張した。
 一方、ヒナノの言葉に疑問を感じた沢田ヨゾラは、
「『ツーツー、トントン、ツーツー』って打ち方分かる?」
 と尋ねる。
「……」
「『こんにちは』って意味だよ。
 会話の最初に必ず入れるんだよ」
 とヨゾラが教える。
「う、うん。知ってるよ」
 ヒナノが答える。


 そんな会話が続いている中、羽山トモカは後部デッキで風にあたっていた。
 夕方とはいえ、まだ陽が沈んでいないため、十分暖かい。
「……少し寒くなってたなぁ」
 そう呟いたトモカは、中に戻ることにした。
 夕食でこの服装はまずいなぁ、とぼんやり考える。
 そこで、自分の部屋に戻ってカーディガンを羽織ることにした。
 会話をしている彼らの横を通り、自分の部屋に戻る。
 

「羽山さんってちょっと変わってるよね……」
 そう言われていることなど知るよしもない。


 自室に戻ったトモカはカーディガンを羽織る。
 そろそろ夕食のため、一番上の層に戻ろうと廊下を歩く。
「……?」
 かすかに、だが確実に、何か音がしている。
「……何?」
 集中する。
 音のした方角が判った。
 結城ミサオが使っている部屋からだ。
 ミサオ本人だろうか?
 違う気がする。
 直感だろうか?


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