日曜サスペンス劇場(10) / 海上

 本筋
 クルーザーは伊豆半島(注1)を後にして、太平洋を南下していく。
 結城ミサオの孤島までは6時間ほどの旅である。
  注1:今までの「下北半島」は「伊豆半島」の間違いでした。
     訂正してお詫びいたします。


 ここで各自の格好を説明しておこう。
 まず、朝比奈サヤカは地味な服装をしている。
 彼女の格好に、メガネと三つ編みを足せば、ギャルゲームに登場する「委員長」そのままだ。
 一方、実際にメガネをかけているのは沢田ヨゾラだ。
 ポケットのたくさんついたジャケットを着て、頭には迷彩模様のバンダナを巻いている。
 羽山トモカは髪を胸まで伸ばしている。
 黒のタンクトップに黒のホットパンツという格好をしている。
「ちょっと変わった服装だな」という周囲からの視線も気にならないようだ。
 福田ヤスオが着ているのは、ごく普通のシャツである。
 服装そのものよりも、鍛えた筋肉の印象的が強い。
 逆に特徴的な服装をしているのが阿佐ヶ谷タクロウだ。
 白いワイシャツの上に純白のスーツを重ねて着ている。
 下半身は純白の長ズボンをはき、はては磨かれた純白の革靴という「ホスト」ルックだった。
 これから新宿にでも行くつもりなのだろうか?
 その脇にいる館石ヒナノは迷彩模様のつなぎを着ている。
 どこかの専門店で買った直輸入品なのだろう。
 実に本格的だ。
 最後、結城ミサオは明るい水色のワンピースを着ている。
 ブランドのマークは見当たらないが、高級店のオーダーメイドに違いない。
 そのため、正確な値段は想像もつかない。
 この服装に違和感を与えるものがひとつあった。
 鈍く銀色に光るジェラルミンのスーツケース。
 なぜかミサオは、これを後生大事に抱えていた。


「撮影旅行」という目的に相応しい格好をしたもの、していないもの、混合の状態でクルーザーは進んでいく。


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